最近、SNSで「必ず儲かる。」「確実に値上がりする株を教えます。」などと言った連絡が有名投資家の名前で送られてきます。有名な投資家の方からの連絡ですし、信用しても良いのでしょうか。

 

 

 SNS型投資詐欺である可能性が高いです。SNS型投資詐欺は、有名投資家などの名前を騙って、「必ず儲かる。」などと甘い言葉で誘い投資を求めますが、返金を求めようとすると様々な理由を付けて返金がなされず、返金をするためには更なる追加出資が必要などと求められ、求められるがまま家族の貯蓄まで無断でつぎ込んでしまうなど深刻な状況になる方も多く存在します。
 実際にこれらの誘いに騙されて、投資等をしてしまった場合、詐欺、錯誤等により契約を取り消したうえで、原状回復請求をするか、相手方の詐欺行為等が不法行為にあたるとして損害賠償を請求していく方法などがあります。
 また、訴訟を提起すると、相手方が財産を別名義の口座に移すなど、財産隠しが行われる可能性がありますので、事前に財産を動かせないようにする必要があります。
 これを防ぐ方法としては、仮差押え(訴訟の提起前に、相手方が財産を処分しないよう仮に差押えをする手続き)を行うか、または「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(「振り込め詐欺救済法」)」により、口座を凍結させる方法があります。
 振り込め詐欺救済法による場合、手続きの中で凍結された口座から分配金が支払われる可能性もありますので、仮差押えよりも積極的に利用すべき場合もあります。
 以上のように、投資詐欺については回収を目指す方法は複数存在しますが、一般的に投資詐欺の加害者からお金を回収することは困難であると言われています。
 その理由は、第1に加害者の特定が困難であることです。例えば、加害者の情報がSNS上でのやり取りのみで、加害者のアカウントも第三者の登録したアカウントが利用されている、発信者が海外からアクセスしていることなどにより、発信者情報の開示請求などによっても特定が出来ない場合が考えられます。
 第2に、加害者の財産の特定が困難であることです。例えば、投資金を振込んだ口座を差押えようとしても既に出金されていたり、第三者名義の口座であるなど、加害者が巧妙に財産を隠していることが多いです。
 そのため、まずは投資詐欺にひっかからないよう注意をしなければなりません。必ず儲かる投資や手軽な儲け話はありません。本当に投資を考えているのであれば、まずは信頼できる機関にご相談ください。