お正月の花材としてお馴染みのこの黄色の花。蝋梅(ろうばい)です。
高さ2~3mのこの木は、ぱきぱきした武骨な枝に薄手の大きな葉が一面についているだけで、普段は全く面白味がありません。ところが、秋も深まり、葉が黄色味を帯びてくる頃、その葉の間からレモンイエローの丸い蕾がちらほら現れます。やがてほとんどの葉がおちてしまうと、それはそれは鮮やかな花でいっぱいに。冬枯れの庭でそこだけ光るようです。
名前のとおりの、独特な半透明の質感。美しい黄色。そしてなにより、上品な極上の香り。今年のお正月も間違いなく瀧家の玄関で明るく香っているはずです。
瀧 貴美枝