昨年9月に日本弁護士連合会(日弁連)の事務次長に就任し、霞ヶ関の弁護士会館で常勤で働いています。

 日弁連は全国52の弁護士会と弁護士約3万2000人で構成される弁護士の自治団体であり、正副会長・理事等の役員、議決機関、各種委員会のほかに、会務遂行の補助機関として事務局がおかれています。事務局を束ねるのが事務総長(現在は仙台弁護士会の荒(あら)弁護士)であり、事務次長6人がそれを補佐し、職員とともに様々な職務を担っています。

 この機会に日弁連の主な活動を紹介させていただきますと…

① よりよい司法制度への改革の取組み
 刑事事件における取り調べの全過程の可視化の実現は、昨年起こったパソコン遠隔操作事件で無実の市民が「動機」を含む虚偽自白をさせられていたこと等を見ても、是非とも必要です。日弁連では、法制審議会への委員の推薦、バックアップ、関係各機関との折衝、国会議員への働きかけなど、その実現に向けて全力で取り組んでいます。他にも、全面的国選付添人の実施や民事裁判・家事手続の改革等の司法制度改革に取り組んでいます。

② 身近な司法を実現するための取組み
 弁護士のいない・少ない地域を解消するための公設事務所・法律相談センターの設置や法テラスとの連携、民事法律扶助でカバーされない分野(生活保護申請や精神障害者,難民認定等)の弁護士費用の援助等を行っています。

③ 会員に対する研修(新人・継続、倫理)の実施、指導・監督

④ 様々な法律問題・人権問題に関する意見発表、法改正等への提言
 いずれもこの国の司法や市民の権利のために重要な課題であり、私も微力ながら日々懸命に務めています。2年間皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、どうぞご理解いただきますよう、お願い申し上げます。