弁護士会でも遅ればせながら「男女共同参画」に取り組み始めました、と一昨年夏の「たより」で報告しましたが、その後活動が進展し、昨年秋には法律家の国際会議でこのテーマが取り上げられ、私も日弁連から派遣されて参加してきましたので、続報します。
2008年10月、日本とはちょうど半日の時差のある地球の反対側のアルゼンチン・ブエノスアイレスで、IBA(国際法曹協会)の年次総会が開催されました。IBAは世界最大の法律家の団体で、その活動・発言は国際社会に大きな影響力をもっています。年次総会には数千人規模の法律家が集い、様々なテーマのセッションが多数開催されます。今回日弁連の提案で開催された「弁護士会のジェンダー平等」をテーマとするセッションもその一つです。
セッションでは、イギリス、カナダの弁護士会会長、米国法曹協会の前会長(女性)、そして日弁連副会長の4人のスピーカーが各国弁護士会の男女平等の取組みについて報告しました。あのヒラリーさんが初代委員長をつとめた米国法曹協会の女性法曹に関する委員会の活発な活動や、法律事務所向けに弁護士採用時の差別等の問題を防止するためのCDを作成したカナダ弁護士会の取組みなど、参考になる話が多く、聞き逃したところにもすごく貴重な情報があったのでは、と自分のヒアリング能力のなさが悔やまれました。会場からの発言も活発で、弁護士会における男女平等がまだ途上であることを共通認識としつつ、各国の弁護士会として、IBAとして、この問題にどのような取組みができるのか、等が話し合われました。2時間という短いセッションでしたが、国際会議で初めてこのテーマが正面から取り上げられた点はもちろんのこと、報告や議論の内容も非常に有益で、意義深いものとなりました。
日弁連からは前述の副会長とセッションの共同議長をつとめた大谷弁護士、その他に私を含めて5人のメンバーが参加しましたが、この会議の成功(と現地で満喫した美味しい牛肉や南米ワインも)を力にして、今後の取組みを進めていこうと決意を新たにしているところです。