地球温暖化問題にガソリンの高騰、メタボ健診スタートなどの影響もあってか、環境負荷が小さく、電気もガソリンも要らない、ついでに体脂肪も燃やせる、と三拍子揃った自転車に俄然注目が集まっています。
自転車大国といえばまず中国を思い出しますが、ヨーロッパの小国オランダが自転車先進国であることは、案外知られていません。平坦な国土が自転車での移動に向いているのでしょう。
昨年、夏休みを利用してオランダを訪れました。道路に自転車レーンが設けられているのはヨーロッパ各都市で見られますが、オランダの自転車の多いこと。アムステルダム中央駅の近くにも巨大な駐輪場がありますが、列車に折りたたみ自転車などを持ち込んで、駅から市内に自転車で走り出す姿も見られました。街中でも、路面電車、自動車、ミニバイクと並んで多数の自転車が行き交い、不慣れな旅行者(私のことです)が、うっかり自転車レーンを歩いて、危うく自転車にはねられそうになることもしばしばです。実際に、自転車による事故も少なくないのだそうですが、こちらもルールをわきまえて歩行者通路を歩いている限り危険な目に遭うことはありません。自転車のルール・マナーが浸透しているのでしょう。
他方わが国では、歩行者専用の歩道上を走り抜ける自転車、傘をさしてふらつきながら走る自転車(オランダでは、かなりの雨の中を傘も雨合羽もなしで自転車に乗る光景を何度も見ました)、イヤフォンで音楽を聴きながら、あるいは携帯電話でメールを打ちながらの自転車、車道を右側通行する自転車、夜間無灯火の自転車など、危険な運転が横行しています。いずれも道路交通法違反となる行為です。自転車に注目が集まる今だからこそ、ルールやマナーも自転車先進国に学びたいものです。