「シネラリア」
花たちには、自分に勝手につけられた名前について責任はない。けれど、「売れゆき」には時々、大いに関係があるらしい。例えば、最近オーストラリアから入ってきた「初恋草」。育てやすさもあってか、あっという間にメジャーになった。つり鉢の定番「ブライダルベール」も、そのネーミングで成功した代表といわれている。
さて。この花は華やかで値段も手頃なため、一時期はお見舞いの鉢の定番だったこともあるという。ところが、誰が言いだしたのか、名前がいけないとの理由で敬遠され始めた。「シネ」が縁起でもない、というのだ。花にとってはなんと理不尽な。仕方なく「サイネリア」の別名にしたり、「富貴菊」と呼びかえて出荷する所もあるそうだ。
何はともあれ。明るくて元気がよくて、美しい花ではありませんか! 新しい年を祝うにふさわしい色だと私は思います。
瀧 貴美枝