私は、今年1月より中国「残留孤児」訴訟原告弁護団に加わりました。その「孤児」の約9割は十分に日本語を話すことが出来ないといわれています。帰国した「孤児」たちに、日本政府は、わずか4か月間の日本語教育を施しただけで「自立」を促しました。しかし、それは幼い頃に中国に置き去りにされ、中国社会で苦難の人生を過ごし、高齢になって帰国した「孤児」たちの実状を全く無視したものでした。十分な日本語教育を受けることができなかった「孤児」たちは思うような職に就くことが出来ず、近所の人はおろか孫たちとも話をすることもできず、大変辛い思いをしています。また、そのような「孤児」たちを担当する弁護団も通訳を介してしかコミュニケーションをとることができないなど困難を抱えています。そのような状況の中、自分の想いを伝えようと必死な「孤児」たちの姿に接する度に、「中国語ができたらな~」という思いに駆られます。

 実は、私は以前独学で中国語を勉強しようと思い、教材等を買い揃えたのですが、1か月も経たずに挫折してしまったことがあったのでした。

 そんなこともあり、この度、中国「残留孤児」2世の方に講師をお願いして中国語講座を開講することになりました。生徒は弁護士、訴訟を支援する人たちです。教室として当事務所の会議室を使用しています。夜、会議室から「マー、マー、マー、マー」などの声が聞こえてきたとしても、それは発音練習ですので怪しまないで下さい。