刑事事件・少年事件について
できれば関わり合いたくないものというと、まっ先に警察を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。自分や家族が被害者になるのはもちろん、容疑者になって警察に追われるような目には遭いたくないものです。
しかし、犯罪の落とし穴は意外なほど近くにあるものです。車の運転をされる方なら、交通事故の加害者になってしまう危険と隣り合わせですし、もしかすると、ある日突然痴漢と間違えられて、逮捕されてしまうという悲劇が起こらないとも限りません。
警察に逮捕されたり、被疑者(容疑者)として取り調べを受けたりすることは、想像以上に心細く、自分の犯したことの報いとはいえ、果たして自分の今後がどのようになっていくのか心配でもあり、被害者に謝罪する機会もないままで、もどかしくもあるものです。
被告人として法廷に立たされることを思うと、身の置きどころのない不安に駆られます。
ましてや、全くの無実の場合であれば、不安や心配はいっそう強くなるのも当然でしょう。
弁護士は、弁護人として刑事事件の被疑者・被告人の立場で弁護活動をすることができます。留置場や拘置所での面会、被害者との示談交渉、警察、検察との交渉、保釈請求、刑事法廷での弁護活動などが含まれます。
未成年者の場合は、少年事件の付添人として、家庭裁判所での弁護活動、家族、学校、職場との調整なども行います。
「悪いことをしたヤツの味方をするのか」、「犯罪者の人権ばかり擁護するのはけしからん」という批判もあるかも知れません。
しかし、犯罪者を孤立させることは、治安をよくすることには決してつながりません。また、万が一にも冤罪(えんざい)などの悲劇が起こらないためには、被疑者・被告人の立場で活動する法律家が必要です。
もちろん、犯罪被害者の立場に立って、刑事告訴、刑事法廷での意見陳述のお手伝い、加害者に対する賠償請求などを行うこともあります。