衝突の確率
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数十メールの大きさの小惑星が地球に衝突するかもしれないというニュースは、もしかしたらどこかで耳にしていたのかも知れませんが、正直、全く記憶にはありませんでした。
しかし、その確率が3%を超えていたと聞くと、もっと騒ぎになってもおかしくなかったのではないかと思ってしまいます。昭和から平成初期の頃の司法試験の合格率は2~3%でしたから、おお、あれより確率が高いのかと。
「2024 YR4」と名付けられたその小惑星は、昨年末に「小惑星地球衝突最終警報システム」によって捉えられ、2032年、つまりわずか7年後には地球に衝突する可能性があるとされたのです。観測が進むにつれて衝突確率は高くなり、先週の時点で3.1%まで上昇していたというのです。
かつて地球上に繁栄した恐竜が6600万年前に絶滅したのは小惑星が地球に衝突したことが原因と考えられていて、その時の小惑星は直径10㎞にも及ぶものだったとされています。小惑星の衝突は、分かっている限りではそれ以来で、規模は格段に違うものの、地域的には壊滅的な被害をもたらすことになるとされていました。ほとんどが流れ星になってしまう隕石とはレベルが違うのですね。
ところが、この小惑星の衝突確率は、今週に入って一気に引き下げられました。0.0017%なんていう数字も言われていますが、基本的にはまず衝突の可能性はないと考えてよいようです。
ホッとしました。
最初に衝突の可能性が言われてから、観測データが積み上がる過程で衝突確率が上昇し、蓄積された観測データに基づく軌道計算の精度が向上することで確率が一気に下落するというのは、科学者の世界では想定内のプロセスらしいのですが、そういうものなのですね。
われわれの扱う法的トラブルの世界でも、ちょっと似たようなことがあるかも知れません。
関係者の言い分が応酬される段階ではトラブルはこじれる一方だったのが、争点整理が進むと、何のことはない、お互いの誤解だったのか、で済んでしまうこともあります。
法的トラブルにまでは発展しなくても、男女の関係などでは、そういうこと、特に多いかも知れません。
ところで、先ほどあげた0.0017%という確率、ほかの似たような確率はないだろうかとネット検索してみたところ、「一生のうちに国内で遭難する確率」がまさに0.0017%とのこと。もっともこれはそういうところに近づかない人には関係ないでしょう。
ほかにないかと見てみると、「一生のうちに東京でタヌキに出会う確率」が0.001%だとか。
あれ? 以前、紀尾井坂のあたりで見かけましたよ、タヌキ。
さて、これはどうしたものか。
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