弁護士の雑記帳 – 東京中央法律事務所

東京中央法律事務所の公式ブログです

*

舞台裏

 

この記事は約 2 分で読めます。

最近、色々な舞台裏が見えてしまうことが続いていますね。

フジテレビと産経新聞社の合同世論調査で不正が見つかったこと、選挙に強いと言われてきた自由民主党の選挙活動は、要するに金を配ることで成り立っていたこと、政府の施策が事実上大手広告代理店に丸投げされて、下請け、孫請けと引き継がれていくうちに、事業本体に使われる予算はほんの一握りだったこと、不正をただすべく法に基づいて捜査、訴追を行うはずの検察庁のナンバー2が賭け麻雀の常習者であったこと、その余人をもって代えがたいはずの人事もあっさりと後任が決まったこと、コロナ禍の自粛期間を通じて、不要不急と思われていたものが人間らしい生活を作り出していたこと、「痛勤」に耐えて出勤することが少なからず非効率であったこと。
数え上げたらキリがありません。

本当の芝居ならば、舞台裏が見えても、それをあげつらうのは無粋、野暮というもの。歌舞伎や人形浄瑠璃の黒衣が見えたからといって、「あっ、何だ、あんなところでコソコソやってんだ?」なんて言い出すやつがいたら、きっとつまみ出されることでしょう。

しかし、上に上げた例は、どれも見て見ぬ振りをするわけにはいかない舞台裏ばかりです。

黒衣ははじめから姿が見えることを前提に舞台に上がりますが、馬の足を演じる役者は頭を出してはいけません。馬脚をあらわす、とは正にこのことです。

それでも、
「世論調査なんて、所詮そんなもの。本気にする方がどうかしてるんだ。」
「選挙で金がばらまかれたからって、今さら、そんなこと驚いてどうするんだ。世の中きれい事ばかりじゃないよ。」
「元請け、下請け、孫請けとお金が流れていって、そうやって経済は回ってるんだ。ビジネスってそういうことだろ。」
「賭け麻雀なんて、みんなやってんだろ。どんな立場でも同じ人間。そのくらいで目くじら立てるなよ。」
「美術館やコンサートホールが閉まったからって、そんなもの無くたって人は生きていけるさ。」
「仕事は多かれ少なかれ辛いもの。満員電車に揺られるくらいで音を上げてるようじゃ、この先やっていけないよ。」
なんていう冷笑系の批判も聞こえてきそうですが、こういうのなんて言ったらいいんでしょうか。開き直りなんでしょうかね。
開き直る態度の本音は責任転嫁か責任逃れでしょうから、どうぞ舞台裏にお下がりください。


 - 社会 ,

  関連記事

取り戻すべきもの

新型コロナウイルスの世界的な蔓延がなければ、今頃は東京パラリンピックが行われてい …

交通事故を他人事にしない

一昨日、大津市での交通事故のニュースが飛び込んできました。わずか2歳のお子様を亡 …

物を言うのは人かカネか

大阪の千里丘陵で日本初の万国博覧会が開かれていた1970(昭和45)年6月24日 …

元号と長さと温度

5月1日からの新しい元号が発表されました。 「令和」という新元号そのものについて …

オスプレイ墜落

昨日、屋久島沖で在日米軍横田基地所属の軍用機オスプレイが墜落したとのニュースが飛 …

地球儀外交

  もはや旧聞に属する話ですが、安倍総理は、政権交代を果たした後の20 …

長すぎる約束

原子力発電所の廃炉をすすめる過程で生み出される放射性廃棄物の処分について、昨日、 …

死票のゆくえ

先月末に行われた衆議院議員総選挙では、議席を伸ばすかと思われた野党第1党の立憲民 …

夏の終わりに

前任の総理大臣が退陣表明をしてから、早いものでもう1年が経過しました。 あれから …

ステイ・ホーム

新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、東京都は、今年の大型連休を「ステイ・ホ …