新宿御苑がアツい
この記事は約 2 分で読めます。
4年前のちょうど今ごろ、当事務所は四ッ谷から新宿御苑前に移転してきましたが、かつてこんなに新宿御苑が注目されたことがあったでしょうか。
言うまでもなく、毎年春に新宿御苑で開かれる恒例行事、首相主催の「桜を見る会」のことです。
安倍首相就任以来、桜を見る会の予算はほぼ一定だったのに、参加者と支出はうなぎ登りで、今年度予算では、支出に合わせた予算請求があったということで、国会でも問題になっていたのですが、世間の注目を集めるほどにはなっていませんでした。
ところが、先週11月8日の参議院予算委員会での、日本共産党の田村智子議員の質問により、「桜を見る会」が安倍首相後援会の恒例行事になっており、税金を使った有権者への饗応、平たく言えば、事実上の買収のようなものになってしまっているのではないか、という疑惑が一気に吹き上がりました。
元はといえば、共産党の機関誌「しんぶん赤旗」のスクープだったわけですが、その後マスコミ各社も後追いながらこの問題を報道するようになり、「桜を見る会」自体が与党の支持者に対するサービス還元、「おもてなし」の場になっていて、近年その方向に拍車がかかっていることが明らかになってきました。その上、後援会向けの前夜祭では、会費を上回る料理なども振る舞われていたとか。
しかも、あろうことか、自由民主党の二階幹事長からは、「議員が自分の選挙区に配慮するのは当然だ」という趣旨の発言も飛び出すなど、開き直りそのものの態度を取り始め、あげく、「もう『桜を見る会』などやめてしまえ」という与党幹部の声が出てくるに至っては(実際に来年の会は中止になったようです)、問題をうやむやにして逃げ出そうという意図がひしひしと伝わってきます。
与党とその支持者が税金でおいしい思いをするのが政治ってもの。
いい目を見たかったら自民党を支持しなさいよ。
そんな言葉が当たり前に通用しているのかと思うと、民主主義は道なお険し、と言わざるを得ません。
ちなみに、一連の「桜を見る会」報道に触れて、環境省が管理する新宿御苑では、日頃は飲酒はおろかアルコール類の持ち込みさえ禁止されているのに、「桜を見る会」の時は酒が飲めるなんてずるいよな、と不満を漏らしていた弁護士がいたことは秘密にしておいて下さい。
関連記事
-
瀬戸内寂聴さんの発言に思う
先週末、福井で日弁連人権擁護大会が開催され、これに先立って死刑制度に関するシンポ …
-
約束と異なる新しい判断
早いもので、もう6月も最終日になってしまいました。 安倍首相が消費税増税の時期を …
-
不適切だが違法ではない
昨日行われた東京都議会総務委員会の集中審議で、舛添要一都知事の辞任は既定路線にな …
-
防衛省と住民基本台帳
自衛官募集のために地方自治体が協力してくれないけれど、自衛隊を憲法に明記すれば、 …
-
キラキラ
「第3次安倍第3次改造内閣」が発足しましたが、新しく「人づくり革命担当大臣」が誕 …
-
ミュージアム
ちょっと前に話題になった「ミュージアムの女」、ご存知ですか。 岐阜県美術館のFa …
-
無期転換ルール取組促進キャンペーン
厚生労働省が、今日9月1日から「無期転換ルール取組促進キャンペーン …
-
印象操作
何とかの一つ覚えじゃないですが、同じフレーズを多用する人っていますね。少し前には …
-
森羅万象
森羅万象という言葉が突然話題になっているというので、早速調べてみたところ、国会で …
-
最高裁を舞台にした違憲行為
先日NHK EテレのETV特集で「誰のための司法か~團藤重光 最高 …