瀬戸内寂聴さんの発言に思う
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先週末、福井で日弁連人権擁護大会が開催され、これに先立って死刑制度に関するシンポジウムが行われました。その際、作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんの、死刑廃止の立場から「殺したがるばかどもと戦ってください」というビデオメッセージが紹介されたことが、大きなニュースとなりました。
「ばかども」という表現に対して批判の声が上がったのは当然で、主催者の日弁連が謝罪するという展開になりました。
本題から離れたところに注目が集まってしまったのは、主催者にしても参加者にしても、不本意なことに違いありません。
この一連のニュースに接したときに思い出したのは、「バカの壁」でした。
解剖学者で東京大学名誉教授の養老孟司先生のベストセラー「バカの壁」が出版されたのは2003年(平成15年)のことだったのですね。もう13年も経ってしまいました。
再読していないので、多少誤りがあるかも知れませんが、「バカの壁」に言う「バカ」は思考停止のことだったように思います。思い込みや、勘違い、無知、無理解に基づくものばかりではなく、相手が間違っているに決まっている、これ以上突き詰めて考える必要がない、という意識的な思考停止も「バカの壁」とされていたのではなかったでしょうか。
寂聴さんの発言の真意は分かりかねるとしても、AかBかという二分論で激しい言葉をぶつけ合う時、お互いに、むしろ自分自身の側に「バカの壁」が立てられていないか、自問自答してみることが大切ではないか、ということを気付かされた出来事でした。
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