老齢で猫とともに一人での生活をしていると、ひしひしと感ずるのは自然の変化とその逞しさである。
昔庭に植えた甘夏蜜柑は、2、30箇黄色く熟れた大きな実をぶら下げ、とるのに一苦労する。玄関側には、珍しく真赤に熟れた木苺の実が群らがっている。今年は又庭一面にどくだみが青黒い葉の中に可憐な白い花を咲き誇らせていた。この現象は、私の日々の孤独な生活を支える力になっていることはまちがいない。
一方、地球を全面支配している人類はどうか。新聞・雑誌・テレビ等すべてのマスコミの報道をみても、政治・経済は勿論、最近ではスポーツの世界でも混乱が始っている状況である。どうしたらいいのか悩むが老齢の私にはどうしようもない。最近読み直した本の中にモンテーニュ(思想家)の次の言葉があった。
老齢は病気である。その進行を弱めるためには・・・努力と用心が必要・・・にも拘らず一歩一歩迫ってくるのを感じる。・・・いずれにせよ、私がどこから落ちるか、それを皆に知って貰えば満足である。