2013(平成25)年3月の提訴から約4年半、昨年10月11日、東京地裁立川支部で、第2次新横田基地公害訴訟の判決が言い渡されました。
判決は、一言で言えば、約1000名の原告に対し、軍用機の飛行等による騒音被害地域に居住していた期間に応じた賠償金総額約6億円の支払いを国に命じたもので、地域住民の悲願であった、夜7時から朝7時までの飛行制限(差止め)や、将来にわたる賠償については請求が斥けられました。
横田基地訴訟は、1976(昭和51)年から繰り返し提訴され、今回の裁判は4巡目の裁判です。一連の裁判を通じて、横田基地の騒音の違法性が一貫して認められてきました。1993(平成5)年には、日米合同委員会で夜間早朝の飛行を制限する合意もなされました。しかし、今なお違法なレベルの騒音被害は解消していません。むしろ、騒音による健康影響リスクの研究が進み、国民の生命や身体を守るという観点からも、なおざりにできない問題であることが明らかになっています。
今回の判決では、日米合意から四半世紀が経過しようとしているのに、国は、米軍に合意を遵守させようとした形跡もなく、騒音被害を抜本的に解決しようとする努力を十分に果たしているとはいい難い、と国のおざなりな態度を厳しく批判しています。安全保障の見地から軍用基地の公共性・公益性が指摘されますが、そうであればこそ基地周辺住民に犠牲を強いるのではなく、その負担を最小限にするとともに、補償制度の整備なども含めた施策こそ、国の責任において行われるべきものです。
今回の判決に対しては、国と住民双方が控訴をしました。今後、裁判の舞台は東京高等裁判所での控訴審に移ります。