安倍内閣は昨年7月の閣議決定に基づいて、「集団的自衛権」の名の下に、アメリカ軍や他国の軍隊をわが国が武力で応援するための安保法制改正(戦争法制の制定)を強行しようとしており、これに反対する野党との間で、激しい国会論戦をくり広げています。
顧みれば戦後70年、わが国は憲法9条を中核とした平和憲法と、その制約の下での平和外交等の展開により、とにもかくにも戦争に捲き込まれずに平和な日々を過ごして参りました。1945年(敗戦の年)を境とした、それ以前の70年(1875年=明治8年頃以降)を振り返ると、日清戦争(1894年)、日露戦争(1904年)、シベリア出兵(1918年)、満州事変(1930年)、日中戦争(1937年)、太平洋戦争(1941年)……といったように、まさに戦争につぐ戦争の時代であり、これと比べただけでも、戦後70 年の一度たりとも戦争のない平和の持続がいかに貴重であり、ほとんど“奇跡的”といってよいほどの稀有な幸せであることが理解されると思います。
ところが、安倍首相は、この70年の戦後日本の状態を、太平洋戦争での敗北と連合国の占領から始まった“忌むべき時代”ととらえ、かような「戦後レジームからの脱却」を唱えて、憲法9条の改正をはじめ「国防軍」の創設、アメリカに従属した軍事共同体制の強化(「集団的自衛権」の名による)に遮二無二突き進もうとしています。
このままでは、安倍政権の“暴走”により平和憲法は蹂躙され、日本は再び戦前のような「戦争国家」に立ち戻らされることは必至です。私たちが尊い犠牲の上に獲得し、堅持してきた戦後日本の平和国家としての歩みを護り抜くために、全力を挙げて闘わなければと決意している次第です。
戦後70年の夏に思う
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