5月も終わりのある日。高校生が重い冬服を脱いで、夏服になっていた。制服が軽々と明るい。女生徒のブラウスは木綿の白。紺のセーラーカラーに3本ライン。ああ、夏が来たんだ、と思わせる美しい色だった。衣替えがこんなに新鮮に映ったのは初めてだった。
今回の絵にとりかかろうとして真っ先にこの時のイメージが浮かび、さっそく面差しが優しくて爽やかな一年生のMさんをスカウトして描かせてもらった。
少し描き込みすぎて写真っぽくなってしまったのが残念だが、さて、シンプルで美しい夏服の雰囲気はお伝えできたでしょうか。
瀧 貴美枝