「フサスグリ」

 その名を聞いたことはあっても、長い間実物をみる機会はありませんでした。やっと出会ったのは、何とフラワーアレンジメントの展示会。華やかな沢山の花たちに混じって、つつましやかなのに目を引く、しま模様の入った可愛らしい木の実が。初めてなのに、なぜかとてもなつかしいのが不思議でした。

 描き終わって一粒口に含んでみると、「いかにも」という感じの素朴な甘ずっぱさ。口の中には小さな小さな種が三つ残りました。

瀧 貴美枝