今年のオリンピックはギリシャで開催されます。
朝日新聞の6月15日の夕刊を見ていたら、「祭典待つ街」というテーマでアテネの港街「ピレウス」のシーフードレストランのことが書いてありました。
1992年にギリシャ・トルコ旅行をした際にアテネで寄ったなつかしい港です。苦労してこの街のミクロマリノという美しい小さな港をさがし、盛りだくさんの魚とポテトフライを食べた覚えがあります。
ところで別の新聞記事に、ギリシャでのオリンピックの開催にあたり、予定どおり建物が建つかどうか関係者が心配しているとの記事がのっていました。ギリシャ人の生来ののんびりさからくる心配だったようです。
アテネの街を歩くと、煉瓦を途中まで積んだまま未完成の建物がたくさんありました。不思議に思いガイドさんに尋ねました。ガイドさんの説明によればギリシャの人は今年手に入れることのできた煉瓦の分だけ建物をたて、また煉瓦が手に入れば工事を続けるので、工事中の建物がそこら中にあるとのことでした。こうした状況を見て、オリンピック会場の完成を心配する人が出たのだと思います。
一方アテネを含むギリシャの街を歩くと、昼間から喫茶店の回りでたくさんの男性がゆっくりお茶を飲んでいる姿にもびっくりしました。ギリシャではこうした男性たちは哲学
を論じているそうです。
なにごとも「期限」にむけて、あくせく働くことにならされているわれわれ日本人にとって、考えさせられる場面でした。
ところで、この新聞にはシーフードである炭火焼きのタコと地酒のウゾという蒸留酒の香りが街中に広がると紹介されています。このウゾはアルコール度が高く水で薄めると白濁する珍しいお酒です。事務所に買ってきて白濁することを示し、どうだと聞きましたが、誰も感動してくれなかったことを思い出します。旅の楽しみというものは行かなかった人とはなかなか共有できないものです。