昨年秋以来の経済危機の影響で、「今年の花火大会は中止します」というところが少なくない。実家の町(三ヶ日町)の花火大会は大丈夫だろうか、と確認したら、今年も例年通り8月最初の日曜日に行う、と言われて安心した。
三ヶ日花火大会の目玉は、たくさんの大スターマインと打ち止めの20号。特に奥浜名湖の水上に筏を設置して行う「水上スターマイン」は孔雀が羽を広げたような扇状の花火が湖面に映り、なかなかの見ものである。埋め立て地にある中学グラウンドの観覧席は花火の音が空からも地面からも響き、迫力満点。そこで焼き鳥とビールを楽しみつつ見事な花火に歓声を上げるのが、私の夏の楽しみである。ただ、この花火大会も数年前に中止の危機に直面した。それまで花火大会を主催していた町内会では、人口減と不況の影響でとても維持できなくなったのである。結局、町の観光協会が主催する形で続けられることになったが、やはりこれだけの花火大会を開催するのは大変で、地元の苦労は並大抵ではないようだ。頑張ってほしいと願いつつ、私のようにいなかを出てしまった人間が勝手なことを言っても…と思う。同様の感情を抱きつつ「今年も開催」の報にほっとした同郷人は少なくないだろう。
花火の終わった後の何ともいえないもの悲しさもまたいいものだが、今年は感傷にひたるだけでなく、地元の友たちと会ってみようかと思っている。