2匹のネコ

 私がソファに座るや否やどこにいてもすっとんできて膝に乗る。玄関近くの足音を聞き分けて鳴きながら迎えに出る。少しなでると「こっちもお願い。」とばかりおかわりを要求する。自由な彼らとの生活は眼にも手にも心にも優しい。
 捨て猫を保護しているうちに4匹になってしまったが、この2匹は特に仲がいい。親子でも兄弟でもなく、小柄な11歳と大柄な7歳のおっさん同士だが、見ているこちらまでほんわり温めてくれるようなおふたりである。

瀧 貴美枝