[特集 私の夏休み]

弁護士 松川邦之

 
 毎年7月後半から8月下旬にかけて、東京弁護士会が主催する表記の演劇の稽古と運営に明け暮れ、8月下旬に1回ないし2回の上演を行っている。

 この公演は、同会子どもの人権と少年法に関する特別委員会のメンバーで行っているもので、毎年、いじめや児童虐待、少年犯罪など、児童福祉や少年司法、あるいは教育・学校分野におけるその時々のホットな話題を取り上げ脚本から用意してオリジナルの芝居にしてきて、本年で20周年を迎える。

 ここ数年では、「性的虐待と司法面接(被害児が二次被害を受けないよう、また初期の被害児の証言を明確に保存するために訓練を受けた専門的な聴取者が早期に被害児から事情を聴取し、それを録画して以後の捜査・裁判手続等に活かす面接)」、「子どもの貧困」、「少年司法現場の実際と付添人(少年事件の弁護及びケースワークを担当)の在り方」「精神的問題を抱え、行き場のない子ども達の居場所」を順次取り上げ、毎回好評をいただいている。

 本年は「もがれた翼Part19 教育虐待~僕は、あなたのために勉強するんじゃない~」と題し、親が子どもの人格を否定してまで勉強を強要し、それに疲れ果て逃げ出すほどに追い詰められた子どもの実態、あるいは管理統制や統廃合が進みあえぐ学校の状況を描き、教育とは誰のためのものか、子どもを真ん中にした教育とはどういうものかをテーマに上演する。8月25日(2012年)土曜日午後3時・午後6時30分からの2回公演、池袋の豊島公会堂にて(入場無料)。お時間の許す方にはぜひ一度ご来場いただきたい。